ソフトレーザーおよびハードレーザー治療

はじめに

平成11年のみちのく歯学会で発表した「炭酸ガスレーザーの臨床応用」を中心に説明します。
レーザーにはソフトレーザーハードレーザーの2種類ありますが、ハードレーザーの代表が炭酸ガスレーザーです。

炭酸ガスレーザー

炭酸ガスレーザー

ネオジウムヤグレーザー

ネオジウムヤグレーザー

ソフトレーザー

ソフトレーザー


炭酸ガスレーザーは、スーパーパルス機能で歯肉の再生効果を期待できるだけでなく、出力を高い状態では、レーザーメス機能や、腫瘍や不良肉芽組織の蒸散も可能です。更に出力を上げると、歯に穴を開けることもできます。

ネオジウムヤグレーザーは組織浸透性が高く、ムシ歯の予防や処置も可能ですが、歯内療法(根管治療)に役立ちます。

ソフトレーザーは組織障害性が低いので、顎関節症のツボ刺激療法、知覚過敏症、三叉神経痛のツボ刺激療法などに活用しています。
前に作成したスライドフィルムから抜粋しました。

レーザーについての位置づけ

レーザーについての位置づけ

レーザーについての考え方

レーザーについての考え方

レーザー機種と波長

レーザー機種と波長

レーザーによる生体反応

レーザーによる生体反応
必要に応じて、照射の強さを変えて、活性化したり、蒸散もしくは炭化を選択します。


炭酸ガスレーザーとコスモシステムの併用療法で歯周病治療と歯内療法の両方に効果をあげています。

炭酸ガスレーザーの臨床応用項目

  1. 歯周病の予防と治療
     ① レーザーブラッシング(歯周組織再生療法)
     ② 歯周ポケット処置
  2. 歯肉の再生
     たばこのニコチンによって、黒くなった歯肉を炭酸ガスレーザーによって再生させて、健康な歯肉を再生させます。
  3. 歯内療法
     根の治療のとき、根管内の殺菌消毒ができます。
     コスモシステムを併用して、根管治療をしています。
  4. ムシ歯の治療と予防
     ムシ歯になりやすい小窩裂溝に炭酸ガスレーザーをあてると
     予防効果があります。
  5. レーザードライ(Laser Dry)
     補綴物•修復物の装着時に水分や不純物を蒸散します。
     通常、エアーをかけて乾燥しますが、不純物や水分を完全に飛ばすことは不可能です。
  6. 歯質強化
     サホライドを併用すると、ムシ歯予防や歯質強化に役立ちます。
  7. 歯肉圧排(レーザー溝形成)
     インレー•クラウン•ブリッジの印象時に歯肉を寄せて、
     型を取りやすくします。
  8. 顎•顔面•口腔外科処置
     智歯(親知らず)の抜歯、腫瘍(腫瘤)の除去(蒸散)に応用しています。
     レーザーメスとして使用すると、ほとんど出血なく切開できます。
  9. インプラントの治療と維持
     炭酸ガスレーザーはインプラントに照射しても害がないので、応用可能です。
     インプラントの上部構造装着時に使用しています。特にねじ固定式の場合は
     定期健診時にインプラント周囲にレーザーを照射して消毒•滅菌しています。

歯周病と歯内療法への応用

  1. 歯周病の予防と治療
     ① レーザーブラッシング(歯周組織再生療法)
     ② 歯周ポケット処置
  2. 歯肉の再生
     たばこのニコチンによって、黒くなった歯肉を炭酸ガスレーザーによって再生させて、健康な歯肉を再生させます。
  3. 歯内療法
     根の治療のとき、根管内の殺菌消毒ができます。
     コスモシステムを併用して、根管治療をしています。

歯周病の予防と治療

レーザーブラッシング Laser Brushing
歯肉上皮の表層を蒸散(除去)するとともに、歯周病菌その他の口腔細菌を死滅させて、新しい歯肉上皮の再生を促します。
レーザーブラッシング Laser Brushing

[歯周病の方の成人矯正への応用]
歯列不正があり、更に矯正装置が装着されると、ブラッシングが困難になります。歯肉改善が見られないときに使用しています。
歯周病の方の成人矯正への応用

[歯周病の急性症状への応用]

歯周病の患者さんが、炎症が急性発症したときに、膿瘍切開を兼ねて炭酸ガスレーザーで蒸散します。いわゆるP急発への応用です。
歯周病の急性症状への応用

歯周病の急性症状への応用②

歯肉の再生

たばこのニコチンによって、黒くなった歯肉を健康な歯肉に再生します。
歯肉だけでなく、全身の臓器も歯肉と同様の変化をしています。特に子どもさんのいる方は、受動喫煙に要注意です。
たばこを吸う人は、吸わない人に比べて、肺がんは4.5倍、喉頭がんは32.5倍。口腔がんは3倍というデータもあります。

[治療前]
治療前
通常は1回で3歯分の歯肉を炭酸ガスレーザーで蒸散します。ゆっくり時間をかけて行うと、麻酔は必要ありません。炭酸ガスレーザーを照射したあとは、痛みも出血もありません。急ぐ方は、6歯分を照射する場合もあります。2サイクルもしくは3サイクル照射で、健康な歯肉に再生できます。歯周病治療の一環として希望する患者さんに行っています。無料で治療しています。
ただし。禁煙しないと後戻りしますので注意して下さい。

[治療後]
治療後

歯内療法

特に感染根管処置に使用して、根管内を殺菌消毒するとともに、不純物を蒸散します。。

[下顎前歯部]
下顎前歯部 感染根管処置

[右下犬歯の感染根管処置]
右下犬歯の感染根管処置

[コスモシステムとの併用]
コスモシステムと併用すると効果が高まります。コスモシステムにも超音波スケーラーやペリオチップなど単独でも使用可能です。
コスモシステムとの併用

[コスモシステムのチップ]

歯内療法と歯周病治療の両方のチップが用意されている。
コスモシステムのチップ

コスモシステムのチップ②

[右上6番化膿性歯髄炎]
右上6番化膿性歯髄炎

右上6番化膿性歯髄炎②

ムシ歯予防とレーザードライ

4.ムシ歯の治療と予防
 ムシ歯になりやすい小窩裂溝に炭酸ガスレーザーをあてると
 予防効果があります。
5.レーザードライ(Laser Dry)
 補綴物•修復物の装着時に水分や不純物を蒸散します。
 通常、エアーをかけて乾燥しますが、不純物や水分を完全に飛ばすことは不可能です。
6.歯質強化
 サホライドを併用すると、ムシ歯予防や歯質強化に役立ちます。

ムシ歯予防と治療

歯面の小さいくぼみや溝に炭酸ガスレーザーを照射するとムシ歯を予防でます。また、下図のように、ムシ歯が疑われる黒い部分もや茶色の部分も、炭酸ガスレーザーを照射すると、ムシ歯の進行をストップできます。結果として、歯を削る量を減らすことができます。

ムシ歯予防と治療

[象牙細管を封鎖して知覚過敏も予防する]
象牙細管を封鎖して知覚過敏も予防

レーザードライ(Laser Dry)

補綴物•修復物の装着時に水分や不純物を蒸散します。通常、エアーをかけて乾燥しますが、不純物や水分を完全に飛ばすことは不可能です。

[インレー装着1]左下4番、28歳女性、98.11.20
インレー装着1

[インレー装着1]②

[インレー装着2]23歳男性、98.11.20
1.エアーで乾燥
インレー装着2

2.装着直前、炭酸ガスレーザー照射
装着直前、炭酸ガスレーザー照射

3.インレー装着
3.インレー装着

レーザーによる歯質強化

サホライド(フッ素塗布剤)を併用すると、歯質強化を高めます。
下図は、かぶせる歯の支えになる歯の歯質強化でムシ歯(二次齲蝕)を予防できます。
[右上2番、メタルコア装着、形成印象時]42歳女性
レーザーによる歯質強化

[右上2番、3番の形成印象時]
サホライド世譜後、炭酸ガスレーザー照射による歯質強化
二次齲蝕を予防できます。
右上2番、3番の形成印象時

歯肉圧排•口腔外科処置•インプラントへの応用 

7. 歯肉圧排(レーザー溝形成)
 インレー•クラウン•ブリッジの印象時に歯肉を寄せて、
 型を取りやすくします。
8. 顎•顔面•口腔外科処置
 智歯(親知らず)の抜歯、腫瘍(腫瘤)の除去(蒸散)に応用しています。
 レーザーメスとして使用すると、ほとんど出血なく切開できます。
9. インプラントの治療と維持
 炭酸ガスレーザーはインプラントに照射しても害がないので、応用可能です。
 インプラントの上部構造装着時に使用しています。特にねじ固定式の場合は
 定期健診時にインプラント周囲にレーザーを照射して消毒•滅菌しています。

歯肉圧排

土台であるメタルコア形成印象時に溝を造って、正確に印象ができるように」します。
歯肉圧排

【左上2番のメタルコア形成•印象時】
左上2番のメタルコア形成•印象時①

左上2番のメタルコア形成•印象時②

顎•顔面•口腔外科処置

[舌小帯短縮症]6歳男児
この患者さんは6歳男児ですが、発音、摂食、咀嚼。嚥下、呼吸といった口腔の機能に舌が関与していますので、舌突出運動のトレーニングをしても改善しない場合は、3歳6ヶ月を過ぎたら、実施可能です。通常は数分で終了します。抗生物質の投与も必要ありません。舌突出運動は術後のトレーニングとしても、後戻りを防ぐために必要です。通常は出血もほとんどありません。
[舌小帯短縮症]6歳男児


[上唇小帯発育遅延]
5歳女児
この手術は安全性が高いので、3歳を過ぎたらいつでも実施可能です。上顎の正中離開(上の前歯の真ん中にすき間ができること)の防止だけではなく、上顎骨の下方への発育を促すためにも重要です。舌小帯短縮症と同様に、出血はほとんどなく、痛みもなく、抗生物質の投与もいりません。

これは発育過剰と誤解されやすいのですが、上唇小帯の発育遅延によるものです。発育していくと上方に上がっていきます。遅くとも永久歯との生え変わる6歳頃まで様子をみて、上方に上がっていかないようなら、手術が必要です。
[上唇小帯発育遅延]5歳女児


【右下埋伏歯摘出術】
炭酸ガスレーザーをレーザーメスとして使用します。レーザーメスで切開すると、ほとんど出血しません。術野の確保が容易です。
摘出した親知らずに、高出力のレーザーを照射すると穴があきます。
この手術に必要な出力はその1/3—1/5程度で十分です。出血がほとんどないので、手術時間を短縮できます。
右下埋伏歯摘出術


【腫瘤や腫瘍の蒸散】
右側頬粘膜腫瘤で、繊維種の疑いでしたが、炭酸ガスレーザーで蒸散しました。
頬粘膜を咬む刺激で形成されたものと思われます。
腫瘤や腫瘍の蒸散

【炭酸ガスで蒸散】
炭酸ガスレーザー照射直後です。痛みも出血もありません。抗生物質の投与も必要ありません。
炭酸ガスで蒸散


[舌下面の嚢胞摘出術]Blandin-Nuhn cyst摘出術、14歳男子
咬んでつぶれたりすると、また腫れてくるということを繰り返します。本態は小唾液腺から唾液が貯留して形成されたもの、つまり唾液貯留ノウ胞です。原因となっている小唾液腺を摘出もしくは蒸散しないと何回も繰り返します。
1986年にむつ市で開業する前は、弘前大学の歯科口腔外科から派遣されて公立野辺地病院の歯科口腔外科医長として勤務していましたが、毎月1回、4ヶ月連続で手術したときもありました。
舌下面の嚢胞摘出術

インプラント治療と維持

炭酸ガスレーザーはインプラントに照射しても害がないので、応用可能です。
インプラントのアバットメント及び上部構造装着時に使用しています。
特にねじ固定式の場合は
定期健診時に全ての患者さんのインプラント周囲にレーザーを照射して消毒•滅菌しています。

また、特に二次手術のアバットメント装着時の歯肉切除に活用しています。
16年前はよくスライド撮影していましたが、デジカメに変わってからは、日常診療では普通の治療なので、現在は撮影していません。


インプラントの症例については、「切らない痛くないインプラント」のページをご覧下さい。

【追加 低周波による通電麻酔】低周波通電器PL200
通常の注射麻酔に恐怖感を覚える患者さんに有効です。
電極シールを貼るだけです。
追加 低周波による通電麻酔