4歳からの矯正治療

4歳からの矯正治療

最近、すき間のない乳歯列(乳歯の歯並び)を持った子供さんが増えています。歯が生えるスペースを(永久歯が生えるための)萌出スペースと言います。成長発育を利用して永久歯が生える前に萌出スペースを確保できれば理想的に歯が並んでいくわけです。それを可能にする装置が拡大床(成長発育を利用して顎を広げる取り外し可能な装置)です。

(利点)
1.費用が安い。保険診療程度。
2.誰にも知られずに夜間のみの装着で治すことができる。
3.永久歯が生えてくる前にスタートすれば、萌出スペースを確保するだけで自然な仕上がりを期待できる。


(欠点)
1.治療期間が長い。
2.取り外し可能なので紛失することがある。
3.本格的な矯正治療に比べると、治療開始時期と本人の努力が足りなければ、仕上がりが完全ではないことがある。

治療開始年齢によって、仕上がりに差がありますが、放置して歯並びの悪い状態にしておくよりはいいと思います。成長発育期間であれば何歳からでも始められます。

発育空隙とは何でしょうか

発育空隙について説明します。乳歯の間のすき間をいいます。すき間のある方が正常です。永久歯が生えてくるときに利用されます。

【空隙のないもの】
上 7.0%
下 24.7%
【「小児の咬合誘導」(中田稔著)より】
発育空隙

【霊長空隙】上の乳側切歯の遠心と下の乳犬歯の遠心の空隙
霊長空隙

【発育空隙のほとんどない乳歯列】
発育空隙のほとんどない乳歯列

【7年後 21⏊12叢生、犬歯の萌出スペースも不足している症例】
【7年後 21⏊12叢生、犬歯の萌出スペースも不足している症例】

発育空隙のほとんどない子どもさんは、前歯4本が叢生(重なり合う歯)になるか、犬歯が生えるスペースが不足して八重歯になります。

それを予防するのが拡大床です。4歳頃からはじめると、歯列とともに顎も拡大されます。拡大床は、期間は長いですが、誰にも知られずに上下の顎の骨を拡大して歯並びを改善します。熱心な子どもさんは、顎の骨を拡大して更に自然にきれいな歯並びを獲得できます。歯はスペースさえ確保できれば自然にきれいに並びます。

拡大床だけで治療した症例1

【症例1】初診7歳6ヶ月 男児 発育空隙がほとんどありません

【症例1】初診7歳6ヶ月 男児 発育空隙がほとんどありません

上下拡大床装着

上下拡大床装着

5ヶ月後

5ヶ月後

12ヶ月後 21⏊12の萌出スペースは確保されています

12ヶ月後 21⏊12の萌出スペースは確保されています

1年半後 下顎4前歯は整列しています

1年半後 下顎4前歯は整列しています

2年8ヶ月後 

2年8ヶ月後
上顎犬歯萌出開始直後、 上は犬歯の萌出スペースの確保されるかどうかがポイントです。

3年6ヶ月後 上の犬歯の萌出スペースは確保されつつあります

3年6ヶ月後 上の犬歯の萌出スペースは確保されつつあります

4年後 右上の犬歯も整列しつつあります

4年後 右上の犬歯も整列しつつあります

4年半後 右上の犬歯(3⏌)以外は整列している

4年半後 右上の犬歯(3⏌)以外は整列している

5年半後 右上の犬歯もほぼ整列してきています

5年半後 右上の犬歯もほぼ整列してきています

5年8ヶ月後

5年8ヶ月後

6年後 ほぼ整列

6年後 ほぼ整列
上の犬歯の萌出速度で治療期間が決まります。夜間のみの装着なので友達にも知られずに終了しました。期間を短縮したいときは、日曜日や夏休みなどは日中も装着します。

拡大床だけで治療した症例2

【症例2】5歳5ヶ月男子、発育空隙はほとんどありません

【症例2】5歳5ヶ月男子、発育空隙はほとんどありません

3ヶ月後 拡大床装着

3ヶ月後 拡大床装着

1年後

1年後

1年10ヶ月後 右下の側切歯は舌側に生えてきています

1年10ヶ月後 右下の側切歯は舌側に生えてきています

2年5ヶ月後 下の4前歯が整列していません

2年5ヶ月後 下の4前歯が整列していません

4年6ヶ月後 下の犬歯が生えてきています

4年6ヶ月後 下の犬歯が生えてきています

4年10ヶ月後 下の犬歯が整列しつつあります

4年10ヶ月後 下の犬歯が整列しつつあります

5年4ヶ月後 左上犬歯が萌出してきています

5年4ヶ月後 左上犬歯が萌出してきています

6年4ヶ月後 下顎6前歯ほぼ整列

6年4ヶ月後 下顎6前歯ほぼ整列

ほぼ7年後 上下の前歯が整列しています

ほぼ7年後 上下の前歯が整列しています

拡大床だけで治療した症例3

【症例3】5歳5ヶ月男児、発育空隙がほとんどありまえん

【症例3】5歳5ヶ月男児、発育空隙がほとんどありまえん

3年4ヶ月後 拡大床装着 上下の犬歯の萌出スペースが不足しています

3年4ヶ月後 拡大床装着 上下の犬歯の萌出スペースが不足しています

3歳5ヶ月後 右側の犬歯が八重歯の傾向があります」

3歳5ヶ月後 右側の犬歯が八重歯の傾向があります」

4年4ヶ月後 右上犬歯がほぼ整列

4年4ヶ月後 右上犬歯がほぼ整列

5年2ヶ月後 上下ほぼ整列

5年2ヶ月後 上下ほぼ整列

5年7ヶ月後 上下整列

5年7ヶ月後 上下整列
3症例とも毎日必ず拡大床を装着していたわけではありませんが、夜間のみなので誰にも知られずに上下の歯がきれいに並びました。